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膠原病・リウマチ内科のご紹介

当院では消化器疾患、肝臓疾患の他に、膠原病・リウマチ疾患の診療にも力を入れています。
膠原病・リウマチ専門医師による基幹病院と連携した専門的診療を行っています。

診療日と担当医【膠原病・リウマチ内科】

受付時間
8:30〜12:30
(津島)
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(竹内)
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担当医師の紹介

津島 浩 医師 (毎週月曜日午前 膠原病・リウマチ外来を担当)
竹内 幹 医師(毎週木曜日午前 膠原病・リウマチ外来を担当)

診療を行っている主な疾患

関節リウマチ (*備考1)
◆ 悪性関節リウマチ
シェーグレン症候群 (*備考2)
全身性エリテマトーデス (*備考3)
◆ 抗リン脂質抗体症候群
◆ 全身性強皮症
◆ 混合性結合組織病
◆ 成人発症スティル病
◆ 皮膚筋炎・多発性筋炎
◆ ベーチェット病
◆ 結節性多発動脈炎
◆ ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)
◆ 高安動脈炎(大動脈炎症候群)
◆ 巨細胞性動脈炎
◆ リウマチ性多発筋痛症
◆ RS3PE症候群
◆ IgG4関連疾患
◆ 乾癬性関節炎
◆ 掌蹠膿疱症性骨関節症
◆ 脊椎関節炎(強直性脊椎炎)
◆ 反応性関節炎
◆ 自己炎症性症候群(家族性地中海熱など)
◆ 線維筋痛症 …など

*備考1 関節リウマチ

<概要・病因>
関節リウマチは、日本には約80万人ほどの患者さんがいるとされ、40〜50歳代の女性に多い病気ですが、若年者・高齢者、そして男性も発症します。本来は細菌やウイルスなどの外敵から身を守るための免疫機能が、何らかの原因で不具合をおこし、結果として関節が炎症を起こし、関節の腫れや疼痛をきたしてしまう疾患です。治療が適切に行われず炎症が持続すると軟骨や骨をいため破壊や変形をきたし機能障害を伴います。早期に適切な診断を受け、適切な治療を専門医の元で行っていくことが大切です。

<症状>
手指、手首、足趾、肘、肩、膝などの関節の数カ所にこわばり、痛み、腫れを認めます。症状は数日の安静のみでは軽快せず、一ヶ月以上も症状が続き徐々に悪化することが多く見られます。起床時に症状が特に強く見られ、時間経過とともに軽快すること、関節は熱を持ち、腫れて痛むのが特徴です。

<検査>
〇血液検査

リウマトイド因子、抗CCP抗体を測定し、関節リウマチの診断の際に参考にします。自覚症状、診察所見、症状の経過、レントゲンなどの画像検査等とあわせ総合的に関節リウマチか否かの判断をします。 CRP、赤沈、マトリックス・メタプロテイナーゼ3(MMP-3)の測定は、関節リウマチにおける関節炎の活動性を判断するときに行います。


〇画像検査

■レントゲン検査
骨・軟骨の形態の変化、変形・破壊の有無を確認できます。発症早期には異常は見られないことが多く、発症後、治療経過中に定期的に行い、進行の有無を評価することが主目的の検査です。

■関節エコー(超音波)検査
関節の腫脹や炎症の有無、骨・軟骨の変形・破壊の有無を観察できます。診察や血液検査よりも鋭敏に病変部の異常を検出することができるため、発症して間もない時期の、早期診断・鑑別診断にも有用で、当院でも実施可能です。

■MRI
関節エコー検査と同様に、関節の腫脹や炎症の有無、骨・軟骨の変形・破壊の有無を観察できます。造影剤を用いることで、より有用な画像情報を得ることができます。早期・鑑別診断に有用です。


<治療>
近年、関節リウマチの治療法は飛躍的に進歩し、寛解状態(病気の勢いがおさまった状態)にまで到達することが実現可能になりました。抗リウマチ薬を代表するメトトレキサート、生物学的製剤、JAK阻害薬など、治療効果の高い薬物が登場し種類も豊富となり選択肢も広がりました。専門医のもとで病状をしっかりと評価した上で、状態に合った薬物と用量を選択し適切に用いる事が大切です。 診断後早期にメトトレキサートを第一選択とした抗リウマチ薬を開始し、3〜6ヶ月以内に寛解あるいは低疾患活動性(病気の勢いが弱い状態)に達することを目指します。目標に達しない場合には、生物学的製剤を含めた他剤への変更あるいは追加を考慮します。
関節リウマチの治療で大切なのは薬物療法だけではありません。日々の生活での運動、関節保護、感染症予防などにも工夫や注意が必要です。運動習慣を持つことで筋萎縮の予防、関節可動域・関節安定性の維持や改善、疼痛軽減が期待できます。運動にて痛みを伴う場合や翌日に関節痛が悪化するような運動は避けましょう。感染症予防のため、うがいや手洗いの習慣をもちましょう。また、薬の減量や中止により病状が悪化することがありますので、自己判断で減量・中止することなく継続し、そのような希望がある場合は十分に相談して下さい。

*備考2 シェーグレン症候群

<概要・病因>
シェーグレン症候群は、涙腺、唾液腺をはじめとする全身の外分泌腺に慢性的に炎症が起こり、外分泌腺が破壊されてドライアイやドライマウスなどの乾燥症状が出現する病気です。 本来、細菌やウイルスなどの外敵から身を守るための免疫系が自分自身を誤って攻撃する、自己免疫という現象が重要な原因のひとつと考えられています。国内の推計患者数は約7万人とされており、女性に多い疾患で、主な発症年齢は40〜60歳代とされています。

<症状>
〇外分泌線の障害による異常 (腺症状・乾燥症状)

■ドライアイ
涙腺からの涙液の分泌量が減少するために、眼が乾く、異物感、眼の痛み、眼のかゆみなどの症状があらわれます。重度の場合は眼に入った異物を涙で洗い流すことができず、角膜や結膜が傷つくこともあります。

■ドライマウス
唾液腺からの唾液の分泌量が減少するため、口が乾く、口がネバネバするといった口腔乾燥感があらわれます。症状が重い場合には、口腔内の痛み、味覚異常などの症状もあらわれます。また、唾液が減少するため、むし歯や歯周病が発生しやすいことがあります。

〇乾燥症状以外の異常 (腺外症状)

皮膚乾燥や皮疹、紫斑などの皮膚症状や関節の痛み(関節炎)、耳下腺や唾液腺の腫脹などがあげられます。頻回にリンパ節腫張を起こされることもあり、まれに悪性リンパ腫を合併することがあります。 臓器の線維化により、間質性肺炎、間質性腎炎などを併発することもあります。


<検査>
〇血液検査、尿検査

抗SS-A抗体、抗SS-B抗体といった診断に必要な特殊検査に加え、血球減少、腎機能などを調べるために、定期的な血液検査や尿検査が必要になります。また、シェーグレン症候群には、甲状腺の機能障害を併発し、疲れやすくなったり首が腫れたりすることがあるため、甲状腺機能も確認をします。

〇眼科検査

涙液分泌の機能や、眼の表面が傷ついたりしていないかといった、ドライアイの状態を確認します。

〇唾液分泌機能検査

サクソンテスト・ガムテストの唾液の分泌機能を調べる検査を確認します。

〇画像検査

間質性肺炎合併の有無を確かめるため、レントゲン検査を行い。必要に応じてCT検査や呼吸機能検査を行うこともあります。


<治療>
腺病変に対する治療は、ドライアイ、ドライマウス、ドライスキンなど乾燥症状に対する 症療法が中心となります。乾燥症状以外の腺外症状に対しては、重症の場合は副腎皮質ス テロイドや免疫抑制剤といった治療薬を用いることがあります。

*備考3 全身性エリテマトーデス(SLE)

<概要・病因>
全身性エリテマトーデス(SLE)は、本来は細菌やウイルスなどの外敵から身を守るため の免疫系が、何らかの原因で自分の細胞に対する抗体をつくってしまい、自分で自分を攻撃してしまう病気(自己免疫疾患)です。自己抗体(自分に対する抗体)や免疫複合体(抗原と抗体が反応してできる結合体)ができるのが特徴で、それにより全身の皮膚、関節、血管、腎臓などが侵されてしまいます。1万人に1人くらいが発病し、とくに子供を産むことができる年齢20〜40代の女性に多く、男女比1対10程度で女性に多い病気です。
根本的な原因はまだよくわかっていませんが、複数の遺伝的要因が関与していると考えられ、一卵性双生児でのSLE発症の一致率が高いことが報告されております。こうした遺伝的背景のうえに感染症や紫外線、妊娠・出産・ある種の薬剤などが関与している可能性が考えられています。なお、遺伝に関しては正確な統計はありませんが、一般の人の発症頻度よりも高いと考えられています。

<症状>
〇皮膚症状

蝶型紅斑という頬から鼻にかけてできる赤く、少し盛り上がっている紅い発疹で、蝶が羽を広げた形に似ているものが特徴的ですが、全員が出るわけではありません。 他にも顔面、耳、首、頭などにできる円形の紅斑がみられることがあります。特に頭にできた場合、その部位の脱毛は治りにくいので、早めの治療が必要です。
手のひら、手指、足の裏などにできる"しもやけ"のような発疹も特有な症状です。

〇口腔内潰瘍

唾液腺からの唾液の分泌量が減少するため、口が乾く、口がネバネバするといった口腔乾燥感があらわれます。症状が重い場合には、口腔内の痛み、味覚異常などの症状もあらわれます。また、唾液が減少するため、むし歯や歯周病が発生しやすいことがあります。

〇日光過敏症

強い紫外線を受けたあとに、皮膚に発疹、水ぶくれができ、発熱を伴うこともあります。

〇関節炎

関節にはれや痛みがでることがあります。関節リウマチと間違えられることもありますが、リウマチのように骨の破壊を伴うことは多くはありません。

〇腎臓の症状

蛋白尿や尿に赤血球、白血球、円柱(蛋白がゲル化して円柱状に固まったもの)が出てくるのが特徴です。 糸球体腎炎(ループス腎炎)と呼ばれる腎臓の障害がある場合は、治療を早めにする必要があります。

〇神経の症状

うつ状態・妄想などの精神症状やけいれん、脳血管障害がみられることがあります。

〇血液の異常・血栓症

貧血、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少などの血液の異常もよくみられます。

〇流早産

何回も流産を繰り返す方は抗リン脂質抗体という抗体が原因となっている場合があります。

〇その他

眼、心臓、肺、消化管(胃・腸)、膀胱などに症状が出る人もいます。


<検査>
〇血液検査、尿検査、胸部レントゲンなど

血液検査、尿検査は重要で、胸部レントゲン、心電図などで全身の状態の経過を見ていく必要があります。 血液検査では、免疫グロブリン、補体、自己抗体(抗dsDNA抗体など)の経過も重要です。特に、抗dsDNA抗体と補体はSLEの増悪を反映します(抗dsDNA抗体は上昇し、補体は低下します。)一般的な炎症のマーカーであるCRPは、SLEではあまり上昇しないため、上昇時は感染やその他の病態も考える必要があります。 尿検査では蛋白尿や血尿などループス腎炎の評価を行ないます。ほかにも、異常が疑われる臓器に対して、CT・心臓超音波などの各種検査が必要となる場合があります。


<治療>
重症度、病気の広がり方、体重などにより、薬の種類や量を決めていきます。 一人ひとり治療も様々ですが、治療法の飛躍的な進歩に伴い予後は改善しており、5年生存率は、1950年代は50%とされていましたが、現在では95%以上にまで改善しています。早期に適切な診断、下記薬剤による治療を行い、その後もしっかりコントロールしていくことが重要です。免疫を抑える治療を行うため、感染予防のため、うがいや手洗いの習慣をもちましょう。状況に応じ、日和見感染を予防するための投薬を行うこともあります。
〇副腎皮質ステロイド

骨粗鬆症はほぼ必発であるため、活性型ビタミンD製剤、ビスフォスホネート製剤、抗RANKL抗体製剤、副甲状腺ホルモン製剤、抗スクレロチン抗体製剤などにより、一人ひとりに適切な予防や治療が必要となります。また長期間にわたり副腎皮質ステロイドを内服している場合、副腎皮質のストレス反応が起きにくくなっており、中止しないようにして下さい。

〇免疫調整薬

ヒドロキシクロロキンが免疫調整薬として2015年に我が国でも承認されました。この薬は定期的な眼科受診が必要で、眼の状態を確認しながら服用する事が大切です。

〇免疫抑制薬

重症度、病気の広がり方などにより免疫抑制薬が使用されます。妊娠への影響や、催奇形性があるものもあり、一人ひとり相談して薬を選んでいく必要があります。

〇生物学的製剤

ベリムマブ(点滴静注、皮下注射)、アニフロルマブ(点滴静注)が、我が国で承認されており、重症度、病気の広がり方などにより使用されます。


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